【「良書」レビュー】50を過ぎても速く!(FAST AFTER50)のススメだよ
50歳を過ぎても速くなれるのか?
その答えにYES!と答える本著書、
ジョン・フリールの「50を過ぎても速く!」
著書は、
努力すれば!頑張れば!と言う捉え方からではなく、
- 何故年老いるのか?
- その進行を止められるのか?
- それに合ったトレーニングはなにか?
上記を過去の論文や統計、
実際のエイジアスリートから分析しています。
個人的に読んで感じた最大のポイントは
年齢に関係なく成長できる要素を分解分析して、
そこにフォーカスしている事です。
そんな、現実的な指標を立ててくれる本書。
購入を検討している方の参考と後押しに、
なれば幸いです(^^)
引用:50を過ぎても速く!FAST AFTER50
ジョン・フリール著 篠原 美穂訳
記事は、一部を除き本書の要約ではなく
紹介記事として書かせて頂いてます。
要所を解釈して、
良書である本書の良さを伝えられたらと思います(^^)
本書を読むと年齢を凌駕できる理由
本来人は歳を取っても活動的
年齢による体力の衰えの研究について。
トレーニングのメンタル低下を持った
アスリートが対象に含まれている点がポイントです。
(著書では「レースで限界近くまで自分を追い込まい層が含まれている」と記述)
研究対象人数が増える程、
データーは悪い方向に進むそうです。
こちらは年齢別のグラフ一部引用になります。
上のグラフからも分かる通り、
歳を取っても持久力を維持できる可能性が見えます。
話はそれますが祖先を辿ると50~60歳が寿命だった時代。
狩猟する為には死ぬまで活動的だった事を求められます。
病以外の理由で寿命が短い事を考えれば、
究極のシニアアスリートが普通の時代もあったそうです。
歳を取ると保身が分析全体を狂わせる
歳を重ねると年齢を理由にケガを恐れる傾向にあるのは想像できます。
結果、統計全体としての年齢別記録平均としては
下がる傾向になります。
トレーニング内容も高強度を一切行わず、
軽いベーストレーニングのみをしている対象者が
統計全体に影響を与えているそうです。
無理をしろという話ではない
そこで、頭に浮かぶのは
じゃあ、「高強度をがむしゃらにやれば良いのか!?」
という、話になりそうですね。
詳しくは本書を見て頂きたいのですが、
適切なリスクとリターンを見極めるのが大事と、
本書では説いています。
著書でも適切な投資で例え語られいますが、
理屈は共感できます。
分析データーや論文を
本書は上記のような本質的な内容と、
加齢の原因を論文や分析データー(Pubmed等)から
細かく探っています。
上では保身が全体の記録を下げると書きましたが、
- 筋肉
- 体脂肪
- 酸化現象、、、等
年齢と共に身体が衰える原因を細かく研究しています。
その他50歳を超えるハイパフォーマンスシニアアスリート達から
得られた知見も見どころです。
著者のジョー・フリールさん。
名前を聞いたことある人も多いのではないでしょうか?
トレーニーなサイクリスト御用達の本、
「サイクリストトレーニングバイブル」の著者になります。
(その他トレーニングピークス等)
内容が深く、これ一冊あれば
問題ないと思えるレベルの著書ですね。
そんな、良書の著者が作る本書も同様に
良書でした(^^)
用語も丁寧に説明があり万人が読める本
コチラの本、
一見すると分厚く難しい用語が多いので難解に見えます。
そのバイアスを取り払い、
冷静に本を読むと
読者ファーストで書かれていることが分かります。
それぞれの単語の意味を書いてくれており、
読み込めば分かるように書いてくれています。
例えば加齢の理論について
本書では老いに関わるものさしとして、
テロメアというDNAが重要と書かれています。
その理由や色々な説を分かりやすく書かれています。
ちまたの健康本が読みやすく感じるのは、
- これをすれば痩せられる
- この御飯を食べろ、、、等
答えを決めているからだと思います。
読み手が考える余地が無いので、いっけん良書に感じます。
5w1hがしっかりした本は
何故?どうして?、、、、→→どのように!
が有るため、説明が長くなるのと
思考が入るので難しく感じる気がします。
しかし、最終的に個々にあった答えに導いてくれます。
因みに50代以下には読む価値あるの?
筆者オガクズ、30代後半ですが
この本は今のうちに読んで良かったと思います。
年齢に左右されないトレーニングは
若い内からしておきたいと思える内容でした。
写真は内容と関係ないですが、
息子3歳が何故か本に興味を示した絵ですw
どうすれば歳を取ってもパフォーマンスを発揮できるか?
50代の鍵はVo2max(最大酸素摂取量)にある
本書ではトレーニングの本質(ビック3)は
- 長さ(練習時間)
- 頻度
- 強度
上記、3つと言われています。
その本質を加味して
長年鍛えてきたアスリートが強度を低く長時間行ってきた場合と、
その逆を比べてみました。
前者は歳を取るとVo2maxが下がる傾向にあるそうです。
つまり、高強度を意識的に取り入れることで、
vo2maxの値が上がり、
高い年齢でもパフォーマンスを発揮できる可能性が有るということです。
本書では「vo2max」がキーワードと言う位、
重要視されています。
よければ、パワトレ用語のvo2maxについての意味や深掘りしたい方は、
コチラの記事を参考にして頂けると幸いです。
トレーニングプラン(ドースとデンス)
本書ではトレーニングプランを
ドース(薬の1回投薬量)とデンス(薬の投与間隔)で、
例えています。
面白いのはデンス(練習期間)を1週間で捉えがちなのを
9日周期で考えてみればと書いています。
トレーニング期間は
1週間と言うバイアスを抜きにして考えよう!
と言う事ですね。
合わせて、調整期やレース期の考え方も書かれており、
シーズンに合った具体的な内容が書かれています。
適切な練習強度の割り出し
本書では練習期間(デンス)も大事だけど、
強度(ドース)を先に決めることが大事だと書かれています。
- vo2max
- LTインターバル
- AeTトレーニング
- 筋力トレーニング
上記のトレーニングについて細かく
効率の良い方法を書いています。
- vo2max
- LT
- AeT
余り聞き慣れない方も多いと思います(^^;
ざっくりいうと、
①から下に強度がさがってきます。
再び、下の記事参考になればと思います(^^;
*LTやAetについては
後日面白解説で第3段で紹介できればと思います。
ベーストレーニングは重要なの(AeTトレーニングについて)
本書、ことある毎に
vo2maxという単語が出てきます。
途中まで読んでると一見
ベーストレーニングは不要なのか?
と錯覚してしまいます。
それは違います。
ポイントは
AeTトレーニング(ベーストレーニング)は加齢を遅らせる効果は少ないけど、
持久系パフォーマンスに対する効果は計り知れない
書かれています。
遅筋線維を鍛え、毛細血管を拡張し
血液の運搬経路を整えてくれます。
ただし注意点が一つ書かれていて、
LSD(ロング スロー ディスタンス)とは違うと
書かれています。
鍵は上の赤字スローなのですが、
それは本書を読んで頂けると分かりますよw
食事や回復について
本書の知識量は膨大です。
食事については
- GI値の指標
- ホルモン
- 食事を変える 変化のすすめ
- インスリン抵抗性
回復についても
- 起床時の心拍数
- 心拍変動
- 睡眠の質について
- 睡眠の質を高める方法
- コンプレッションウエアの効果
- 冷水浴と交代浴の効果
- 筋肉マニピュレーション、、、等々
本書一冊で、
自転車以外の健康本を凌駕する内容な気がします(笑)
詳しくは読んでいただきたいのですが、
最初ビックリすると思いますw
まとめ
著書 「50を過ぎても速く!(FAST AFTER50)」は、
万人が理解できる内容で、
かなりの良書でした。
少し値段は張りますが、
気になる方は購入する価値があると思います。
年齢が足カセとなり、
トレーニングのモチベーションが下がっている方には、
勇気を与える本だと思います。
自転車は楽しいスポーツ。
いつまでも楽しみたいですね(^^)