【胸にボトルを入れると空気抵抗が削減する?】チェストフェアリング(Chest fairings)について解説
チェストフェアリング(Chest fairings)は、 海外の自転車競技やトライアスロンで使用される新しい抵抗削減方法です。
競技者がスキンスーツの前面に何らかの物 (通常はプラスチックボトルやその他)を挿入することで、 空気抵抗を減少させる目的で使用されます。

チェストフェアリングとは?
自転車やトライアスロンでは、
速度を上げるためには空気抵抗を最小限に抑えることが重要です。
空気抵抗は速度の二乗に比例して増加するため、
高速で走行する際には特に影響が大きくなります。
この空気抵抗を減らすために、 多くのテクニックや装備が開発されています。
チェストフェアリング:その仕組み
チェストフェアリングは、競技者がスキンスーツの前面に何らかの物(通常はプラスチックボトル等を)を挿入することで空気の流れを改善し、
結果として空気抵抗を減少させるテクニックです。
この物体が空気の流れを「導く」ことで、 競技者自体の形状がより「流線型」に近づき、 空気抵抗が減少します。
流体力学の観点から
流体力学の理論に基づくと、物体の形状(特に前面)が流線型であればあるほど、その物体は流体(この場合は空気)を効率よく「切り裂く」ことができます。 チェストフェアリングは、この流線型を人工的に作り出すことで、競技者が高速で走行する際の空気抵抗を減らすわけです。

UCI非承認では非承認
UCI(国際自転車競技連合)の規則には制約が多く、特定のテクノロジーや装備が禁止されています。 しかし、トライアスロンなどの非UCI競技では、このような制約がないため、チェストフェアリングのような新しいテクニックが試されています。
トライアスロンやアイアンマンでつかわれている?
Ironmanでは、競技者はUCI(国際自転車競技連合)の規則に縛られることなく、自由に装備を選ぶことができます。 これにより、競技者はスキンスーツ、さらにはチェストフェアリングなど、創造的な方法で速度を上げることができます。
Ironman World Championshipsで最速のバイクスプリットを記録したのはSam Laidlowで、彼の平均速度は180キロメートルで驚異の44kph以上でした。これは、泳いだり、マラソンを走ったりする前後の活動を考慮に入れても非常に高速です。
まとめ
チェストフェアリングは、競技者がスキンスーツの前面に特定の物体を挿入することで、空気の流れを改善し、空気抵抗を減少させるテクニックです。
このテクニックは流体力学に基づいており、特に高速で走行する際にその効果を発揮します。自転車競技やトライアスロンの人気が高まる中で、今後このテクニックが注目を集める可能性は高いです。
引用:CyclingWEEKLY「Chest fairings, aero lunchboxes and custom cockpits… the non-UCI tech that makes triathletes go so fast」
引用:Outside「Expert Tested: The Water Bottle/Jersey Trend Produces Shocking Results」