【Bryton Rider550 】1万円台で買える2.8インチカラー液晶サイコンの実力を解説|おがくずブログ【ロードバイクのブログ】
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【Bryton Rider550 】1万円台で買える2.8インチカラー液晶サイコンの実力を解説

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サイクルコンピューターの価格が年々上昇する中、多くのサイクリストが頭を悩ませているのではないでしょうか。

Garmin Edgeシリーズの最新モデルは4万円を超え、さらに上位機種になると6万円以上。プロ選手でもない限り、そこまでの投資は躊躇してしまいますよね。

そんな状況で注目を集めているのが、台湾のGPSメーカーBryton(ブライトン)が展開するRider550です。2.8インチのフルカラー画面を搭載しながら1万円台という価格設定は、まさに革命的と言えるでしょう。

本記事では、このBryton Rider550を検証します。

Bryton Rider550とは

Bryton Rider550は、2023年にリリースされたミドルレンジのGPSサイクルコンピューターです。同社のラインナップにおいて、エントリーモデルとハイエンドモデルの間を埋める重要な位置づけの製品となっています。

Brytonは2009年に設立された比較的新しい企業ですが、GPS技術に特化した開発により、短期間でサイクルコンピューター市場において確固たる地位を築きました。特にコストパフォーマンスの高さで知られ、「Garminキラー」とも呼ばれています。

日本市場においては、株式会社フカヤが正規代理店として販売・サポートを行っており、アフターサービスの面でも安心感があります。

詳細スペックと技術仕様

ハードウェア仕様

ディスプレイ

  • サイズ:2.8インチ
  • タイプ:TFT カラー液晶
  • 解像度:240 x 320 ピクセル
  • バックライト:自動調光機能付きLED
  • 環境光センサー:搭載

本体仕様

  • サイズ:83.9 x 53.7 x 18.2 mm
  • 重量:86g(本体のみ)
  • 防水規格:IPX7(水深1mで30分間の防水性能)
  • 動作温度:-10℃〜60℃
  • 保存温度:-20℃〜60℃

バッテリー性能

  • 容量:1000mAh リチウムイオン電池
  • 連続使用時間:最大37時間(GPS使用時)
  • 充電時間:約3時間(フル充電)
  • 充電方式:USB Type-C

衛星測位システム

Rider550は5つの衛星システムに対応しており、高精度な位置情報を取得できます。

  • GPS(アメリカ)
  • GLONASS(ロシア)
  • Beidou(中国)
  • Galileo(ヨーロッパ)
  • みちびき(QZSS)(日本)

これらの複数システムを同時に利用することで、ビル街や山間部でも安定した測位が可能になっています。

接続性

無線通信

  • Bluetooth 4.0
  • ANT+
  • Wi-Fi(ファームウェアアップデート用)

対応センサー

  • 心拍計(ANT+/Bluetooth)
  • スピード/ケイデンスセンサー
  • パワーメーター
  • 電動変速機(Shimano Di2、SRAM eTap)
  • スマートトレーナー
  • レーダー(Garmin Variaシリーズ対応)

セットアップと初期設定

開封から使用開始まで

Rider550のセットアップは驚くほど簡単です。以下、詳細な手順を説明します。

1. 同梱物の確認

  • 本体
  • スタンダードマウント
  • USB Type-Cケーブル
  • ストラップ
  • クイックスタートガイド

2. 初回充電 初回使用前に、フル充電することを推奨します。USB Type-C採用により、最近のスマートフォンと充電器を共有できるのは便利な点です。

3. Bryton Activeアプリのインストール iOS/Android両対応の専用アプリ「Bryton Active」をスマートフォンにインストールします。アプリは無料で、広告も表示されません。

4. アカウント作成とペアリング

  • アプリでアカウントを作成(メールアドレスのみで可能)
  • Rider550の電源を入れ、表示されるQRコードをアプリで読み取り
  • 自動的にBluetooth接続が確立

5. 基本設定

  • 言語選択(日本語対応)
  • 単位設定(メートル法/ヤード・ポンド法)
  • プロフィール入力(身長、体重、FTP値など)
  • タイムゾーン設定

この一連の作業は、慣れていない方でも15分程度で完了します。

Wi-Fi設定とファームウェア更新

Wi-Fi接続を設定しておくと、ファームウェアの自動更新が可能になります。Brytonは定期的にアップデートを提供しており、新機能の追加やバグ修正が行われています。

主要機能の詳細レビュー

データフィールドとページカスタマイズ

Rider550は最大8ページまでデータ画面を設定でき、各ページに最大10個のデータフィールドを表示できます。

表示可能なデータ項目(一部抜粋)

  • 速度関連:現在速度、平均速度、最高速度
  • 距離関連:走行距離、積算距離
  • 時間関連:走行時間、現在時刻、経過時間
  • 高度関連:現在高度、獲得標高、勾配
  • パワー関連:現在パワー、3秒平均、NP、IF、TSS
  • 心拍関連:現在心拍、平均心拍、心拍ゾーン
  • ケイデンス:現在ケイデンス、平均ケイデンス
  • 気象情報:気温、気圧

カスタマイズは本体でも可能ですが、アプリを使用した方が直感的で簡単です。

グラフィカル表示機能

数値だけでなく、グラフィカルな表示も充実しています。

  • 高度プロファイル:今後のルートの標高変化を視覚的に確認
  • パワーゾーン分布:トレーニング中のパワー分布をリアルタイム表示
  • 心拍ゾーングラフ:各ゾーンでの滞在時間を色分け表示

これらの視覚的な情報は、2.8インチの大画面だからこそ見やすく、実用的です。

スマート通知機能

スマートフォンと連携することで、以下の通知を受け取れます。

  • 着信通知
  • SMS/メッセージ通知
  • SNS通知(LINE、Facebook、Twitter等)
  • カレンダーリマインダー

通知は画面上部にポップアップ表示され、数秒後に自動的に消えます。走行中の安全性を考慮した設計になっています。

トレーニング機能の実力

ワークアウト機能

Rider550には、構造化されたワークアウトを作成・実行する機能があります。

インターバルトレーニング

  • ウォームアップ、メインセット、クールダウンを設定可能
  • パワー、心拍、ケイデンスベースでの目標設定
  • 音声とバイブレーションでのアラート機能

FTPテスト

  • 20分テストプロトコル内蔵
  • 自動的にFTP値を算出
  • トレーニングゾーンの自動更新

トレーニング効果の分析

各ライド後に以下の分析データが提供されます。

  • トレーニング効果:有酸素/無酸素への影響度
  • リカバリー時間:次のハードトレーニングまでの推奨休息時間
  • トレーニングステータス:現在のフィットネスレベルの評価

これらの機能は、Garminの同様の機能と比較しても遜色ない完成度です。

Virtual Partner機能

仮想的なライバルと競争できる機能で、モチベーション維持に効果的です。

  • 過去の自己ベストとの比較
  • 設定ペースでの仮想ライダーとの競争
  • リアルタイムでの先行/遅延表示

ナビゲーション性能

地図機能の詳細

Rider550はOpenStreetMap(OSM)ベースの地図を採用しています。

メリット

  • 無料で地図データを更新可能
  • 世界中の地図が利用可能
  • コミュニティベースで頻繁に更新

デメリット

  • 商用地図と比べて精度にばらつきがある
  • 地域によって情報の充実度が異なる
  • 建物名称などの詳細情報が少ない

ルート作成と転送

Bryton Activeアプリでのルート作成

  • 地図上でウェイポイントを設定
  • 人気ルートの提案機能
  • 高度プロファイルの事前確認

外部サービスとの連携

  • Strava Routes
  • Ride with GPS
  • Komoot
  • GPXファイルのインポート

これらのサービスで作成したルートは、簡単にRider550に転送できます。

ターンバイターンナビゲーション

曲がり角の手前で、以下の情報を提供します。

  • 曲がる方向の矢印表示
  • 曲がり角までの距離
  • 音声アラート(ビープ音)
  • バイブレーション通知

実際の使用感として、主要道路では問題なく機能しますが、細い路地や複雑な交差点では精度が落ちることがあります。

リルート機能

コースを外れた際の対応も考慮されています。

  • 自動リルート(元のルートに戻る最短経路を計算)
  • 手動リルート(現在地から目的地への再計算)
  • オフコースアラート(設定距離以上離れると警告)

他社製品との詳細比較

Garmin Edge 530との比較

項目Bryton Rider550Garmin Edge 530
画面サイズ2.8インチ2.6インチ
画面タイプカラーカラー
解像度240×320246×322
バッテリー37時間20時間
重量86g75.8g
タッチスクリーン××
地図OSMGarmin Cycle Map
ClimbPro×
事故検出×
GroupTrack×
トレーニング分析
Strava連携
アプリの使いやすさ★★★☆☆★★★★★

Wahoo ELEMNT BOLTとの比較

項目Bryton Rider550Wahoo ELEMNT BOLT
画面サイズ2.8インチ2.2インチ
バッテリー37時間15時間
セットアップ★★★★☆★★★★★
エアロダイナミクス標準優秀
スマホ連携良好非常に良好

中華系格安モデルとの比較

XOSS、iGPSPORTなどの中華系ブランドと比較すると、Rider550は以下の点で優位性があります。

  • サポート体制:日本に正規代理店があり、修理対応が可能
  • ファームウェア更新:定期的なアップデートで機能改善
  • アプリの完成度:日本語対応が完璧で、使いやすい
  • 品質管理:初期不良率が低く、長期使用での信頼性が高い

長期使用レポート

耐久性について

半年以上の使用において、以下の点が確認されています。

良好な点

  • 防水性能は公称通りで、豪雨でも問題なし
  • 画面の傷つきにくさ(ただし保護フィルム推奨)
  • ボタンの耐久性(クリック感の劣化なし)
  • マウントの固定力(振動でも外れない)

注意が必要な点

  • 夏場の直射日光下での発熱(動作に影響はなし)
  • 冬場の低温下でのバッテリー性能低下(約20%減)
  • USB端子カバーの劣化(定期的な清掃が必要)

ファームウェアアップデートの実績

Brytonは積極的にファームウェアを更新しており、以下のような改善が行われています。

  • GPS精度の向上
  • 新しいデータフィールドの追加
  • バグ修正とパフォーマンス改善
  • 新型センサーへの対応追加

メリット・デメリット総括

メリット

  1. 圧倒的なコストパフォーマンス
    • 1万円台で必要十分な機能を網羅
    • 競合製品の半額程度
  2. 長時間バッテリー
    • 37時間は業界トップクラス
    • ロングライドでも充電不要
  3. 大画面による視認性
    • 2.8インチは実用的なサイズ
    • カラー表示で情報が分かりやすい
  4. 豊富な接続性
    • ANT+とBluetooth両対応
    • 主要なセンサーはほぼ全て接続可能
  5. 日本でのサポート体制
    • 正規代理店による安心感
    • 日本語マニュアル完備

デメリット

  1. 地図の精度
    • OSMベースの限界
    • 地方では情報不足の場合あり
  2. 物理ボタンのみの操作
    • タッチ操作に慣れた人には不便
    • メニュー階層が深い部分がある
  3. アプリの完成度
    • Garmin Connectと比べると見劣り
    • 分析機能がやや簡素
  4. 独自機能の少なさ
    • ClimbProのような革新的機能なし
    • 基本に忠実だが特徴に欠ける
  5. リセールバリュー
    • Garminと比べて中古市場が小さい
    • 買い替え時の下取り価格が低い

購入ガイドと推奨ユーザー

強く推奨するユーザー

1. 週末ライダー

  • 週に1-2回、100km前後のライドを楽しむ方
  • トレーニングよりも楽しみを重視する方
  • 基本的なデータ記録ができれば十分な方

2. ロングライド愛好家

  • ブルベやセンチュリーライドに参加する方
  • 1日200km以上走る方
  • バッテリー切れの心配をしたくない方

3. コストパフォーマンス重視派

  • 予算2万円前後でサイコンを探している方
  • 必要十分な機能があれば満足な方
  • ブランドにこだわらない方

4. サイコン初心者

  • 初めてGPSサイコンを購入する方
  • シンプルな操作を好む方
  • 段階的にステップアップしたい方

5. サブ機として使いたい方

  • メイン機の予備として持ちたい方
  • 通勤用と週末用で使い分けたい方

他の選択肢を検討すべきユーザー

1. 競技志向のサイクリスト

  • レースで上位を狙う方
  • 詳細なパワー分析が必要な方
  • 最新のトレーニング理論を実践する方 → Garmin Edge 830/1030 Plusを推奨

2. 最新技術を求める方

  • タッチスクリーン必須の方
  • 最新機能をいち早く使いたい方
  • ソフトウェアの完成度を重視する方 → Wahoo ELEMNT ROAM/BOLTを推奨

3. 極限までシンプルさを求める方

  • 最低限の機能で十分な方
  • できるだけ安く済ませたい方 → CATEYEやXOSSのエントリーモデルを推奨

まとめ

Bryton Rider550は、**「1万円台で買える本格的GPSサイクルコンピューター」**として、非常に完成度の高い製品です。

確かに、Garminのようなトップブランドと比較すると、細部の作り込みや独自機能では劣る部分があります。しかし、サイクルコンピューターに求められる基本的な機能は全て網羅しており、多くのサイクリストにとって必要十分な性能を持っています。

特に評価したいのは以下の3点です。

  1. 37時間という圧倒的なバッテリー性能
  2. 2.8インチカラー液晶による優れた視認性
  3. 1万円台という驚異的な価格設定

これらの要素が組み合わさることで、他社製品では実現できない独自の価値を提供しています。

初めてのGPSサイクルコンピューターとして、またコストパフォーマンスを重視する方のメイン機として、自信を持って推奨できる製品です。

「高価なサイコンは必要ないが、安物では満足できない」という、多くのサイクリストのニーズに見事に応える製品。それがBryton Rider550です。

技術の進歩により、かつては高級機にしかなかった機能が、この価格帯で実現できるようになりました。Rider550は、そんな時代の恩恵を最大限に活用した、賢い選択と言えるでしょう。

サイクルコンピューター選びで悩んでいる方は、ぜひ一度実機を手に取って確認してみてください。きっと、その価格と性能のバランスに驚かれることでしょう。

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いちよう富士ヒルゴールド(年代4位)
こんにちわオガクズです。 育児しながらもゴールドを取る事が出来ました。 その経験を活かし、 役立つ面白ろブログを紹介します。
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