【書籍レビュー】運動しても痩せないのはなぜか?
こちらの書籍、アスリートに役立つ内容としてもかなり深いですが、
作者の苦悩や未来への願い等も含めて、面白い本です。
- ダイエットの本質を知りたい
- 健康の原理原則を大きいフレームワークで捉えたい
- 持久走の限界とは?
上記が気になる方はぜひ読んでいただけると嬉しいです!
内容のポイントを解説させていただきます。
運動しても痩せないのはなぜか?の面白いポイント解説
動物もザッハ族も太っていない
社会が成長するにつれて、成人病や肥満体質の人が増えたのは事実です。
そこだけを切り取るとただ、工業化社会の歪として片付けることができます。
ひとつ不思議なのは動物や先住民族は先進国の人同様に個体差(体格)が激しいか?
答えはNOです。
書籍では動物やザッハ族という先住民と一緒に暮らし得た知見やデータ・研究から、
様々な検証が行われています。
年齢で代謝は落ちない。
上記の個体差同様、大半の方がミスリードしている勘違いがあります。
それは、年齢と共に体力や代謝がホントに落ちるのか?です。
ザッハ族や動物は歳をとってもアクティブに動いています。正確には動けないは死に直結するからです。かといって、特別年齢とともにトレーニングをしているわけでなく、
自然と暮らしています。(もちろんある種の緊張感とあるがままを受け入れつつ)
人類の歴史として、「歳をとったから衰えを感じる」「体重が増えてきた」
という概念をもった期間の方が短いはずです。
この視点を軸にスポーツを考えた事はありますか?
ザッハ族と一般人の消費カロリーは同じ
面白い知見があります。
一日ずっと動き続けるザッハ族と一般人の消費カロリーは一緒のようです。
しかし、これだけ体格差ができたのはなぜでしょうか?
この辺りはぜひ、書籍を読んでいただける、
色々気づきがあると思います。
書籍にダニングクルーガー効果について少し書かれています。
ざっくり言うと知能が低い人ほど人を評価したがるようです。
知識が極めて乏しい人は決まって自分を専門家であるように評価した
作者もこの減少に悩まされたようです。
下手に他社と比べたり、ログを見ての決めつけで評価したりするのは、
争いの元なので注意が必要なようです。
アスリートや健康を意識する方に向けた内容が網羅されています
ダイエット法は全て同じ?効果はいかが?
あらゆる巷のダイエット法についても所見をのべています。
どのダイエット法もうまくいくけど、それは全て
単純なエネルギーの消費と支出に行き着いてると述べています。
否定も肯定もしない。そのうえで成功はするが、、、
脳を騙すことはできない
ホメオスタシス(恒常性)という言葉を聞いた事ある方も多いと思います。
人の身体には調整機能がついていて、痩せるとリバウンドしようと指令が入ります。
オーバーリーチは性欲と内臓の調子を
消費カロリーが摂取カロリーを超えると、身体は飢餓状態になります。その時、身体は免疫系と生殖機能からエコモードに入ります。
オーバーリーチが疑わしい時は、消費カロリーが摂取カロリーとの関係、食べる量を確認してみるのもいいかもしれません。
身体の代謝をなくすには筋肉ではなく消化管を鍛えよう
この書籍最大の肝かもしれません。
筋肉ではなく消化管を鍛えようと明確に書いてはいませんが、
そう受け取ることの出来る気もします。
ただ、馬鹿みたいに食べろという事ではありません。
下記に続きます。
重要なのは体内エネルギーではなく体外エネルギー。工業化に伴い摂取エネルギーが増えた
摂取カロリー(体内エネルギー)だけが重要ではありません。
体外エネルギーの観念が重要になってきます。
人は火を使うことが出来るようになって、
遠くに行くことが出来るようになりました。それは、火を通すことで食材を美味しく、安全に食べる事で摂取カロリーが増えたからです。
そして、石炭や電気、体外エネルギーはどんどん進化していきます。
食材の加工度が増し、更に摂取カロリーが増えます。
そう、身体にはホメオスタシスがあるけど、
あまりに発展した社会にバクが生じ年齢とともに体質が変わってきているようです。
痩せないけど運動しよう
書籍では痩せないけど運動はするべきだと強く謳っています。
とはいえ、自転車で痩せた人はたくさん見ます。
恐らく、本来の身体(恒常性が認識している体重)まで、
戻ったが正解なのかもしれません。
それは、体内の炎症や成人病を防いでくれるからです。
(この辺りはかなり本書では深く書いています)。
ハーマン・ポンツァー (著), 小巻 靖子 (翻訳)
まとめ
今回も、書籍のまとめではなく読みたくなるポイントを簡略化してまとめました。
内容は深く、捉え方もそれぞれ変わってくると思います。
必読の書籍です。とはいえ、割とハードなジョークも多く読みやすいですよw
最後に、体外エネルギーについて著者が人類の課題について語っています。
工業化社会のロジカルな終焉と言うのか、少し考えさせられますよ。