カフェインの耐性に挑む: コーヒー断ちで達成するパフォーマンスの最適化
スポーツマンにとってプロ・アマ問わず人気の飲みものコーヒー。
そんなコーヒーに含まれるカフェインはエビデンス等級が高いのも特徴です。
カフェイン耐性がついて効き目が薄くなっているのでは?
カフェイン断ちは効き目あるのか?
本番前にカフェイン断ちを考えている方に結論から言うと、
人によって効き目が違う。
やってみないと分からない!
です。
理由を解説します。
カフェインが効く理由や持続時間解説
そもそもカフェインはなんで効くの?
時は西暦1XXX年
亜出の心(アデノシン受容体)というお侍さんがいました。
そのお侍さん、野宇内国(脳ない)という場所で活動的に動いていますが、
スタミナが1日しかもたないので夜はぐっすり寝ます。
駄菓子菓子!
南蛮渡来の黒船から現れたコフィー船長(ブラックコーヒー)襲来。
カフェインと言う西洋文化の怒兎品愚(ドーピング)を頂きました。
それからというもの亜出の心は永遠に眠ることを忘れ走り回りました。
~完~
カフェインが覚醒作用を持つ理由は、それが脳内のアデノシン受容体を遮断するためです。アデノシンは通常、私たちが一日を通じて活動するにつれて脳内に蓄積され、アデノシン受容体に結合することで神経活動を抑制し、眠気を引き起こします。しかし、カフェインがアデノシン受容体に結合すると、アデノシンがそれらの受容体に結合するのを防ぎ、その結果、眠気を感じることが少なくなります。これがカフェインが覚醒作用を持つ主な理由です。
また、カフェインは神経系を刺激し、アドレナリン(エピネフリンとも呼ばれる)というホルモンの分泌を促進します。アドレナリンは「戦うか逃げるか」の反応を引き起こし、心拍数を上げ、血流を筋肉に向け、気分を高揚させるなど、体を一時的に活性化する作用があります。これが、カフェインが一時的にエネルギーを増加させ、スポーツパフォーマンスを向上させる可能性がある理由の一つです。
さらに、一部の研究では、カフェインが疲労感を和らげ、運動の痛みを軽減する可能性が示されています。これは、運動の持続時間を延ばし、パフォーマンスを向上させる可能性があります。
カフェインの効果時間は?
カフェインの半減期は2.5〜5時間で、
摂取後に99%が約45分で迅速に吸収されると言われています。
カフェインのピークは摂取後1〜2時間で現れるそうです。
カフェインの断ちの効き始め時間
本番前にカフェイン断ちをするアスリートは多いと思います。
実際、身体から抜けるのにどのくらい期間がかかるのでしょうか?
人によってかなりの開きがあるようで、
2-9日の差があるようです。
実験的研究では、頭痛の発生率は50%、臨床的に重要な苦痛や機能障害の発生率は13%であった。一般に、症状の発現は禁酒後12~24時間で、20~51時間に強度のピークがあり、2~9日間持続する。一般に、症状の発生率や重症度は1日の服用量が増えるにつれて増加し、100mg/日という低用量から断薬すると症状が現れた。カフェイン離脱の主要な決定要因は期待ではなく、離脱症状の回避が習慣的なカフェイン摂取の中心的役割を果たすことを示す研究がレビューされている。
カフェインの接種限界は?
成人の場合1 日あたり最大 400 ミリグラムと言われています。
ただし、コチラは目安です。
カフェイン耐性は人にって効き目が違う
カフェインは以下の要因でも効果は変わってくるようです。
- 遺伝
- 体重
- 日頃のカフェイン摂取量
- 健康状態や服薬
- 喫煙
- 年齢
遺伝的な要因でカフェインの強さも変わります。
気になる方は一度検査キットをためしてみると
今後のパフォーマンスの指標として参考になると思います。
*ついでに有酸素運動や無酸素の強さ含む
その他360項目も調べられます。
カフェイン(パラキサンチン)は飲み続けると耐性が薄くなるの?
少し難しい話になりますが
カフェインの代謝物にパラキサンチンがあります。
カフェインと同様に中枢神経系に影響を及ぼします。
パラキサンチンはカフェインと同じくアデノシン受容体に影響、
覚醒を促進、血圧を上昇させるなどの効果を持つとされています。
したがって、パラキサンチンが体内に蓄積すると、
カフェインの特定の効果が長期間持続する可能性があります。
しかしながら、カフェインとパラキサンチンが同じ効果を持つとはいえ、その効果が全く同じであるとは限らず、またその影響の度合いも異なる可能性があります。
また、体内にパラキサンチンが蓄積することでカフェインに対する耐性が発生し、カフェインの効果が薄れる可能性もあります。
つまり、パラキサンチンの蓄積量の個人差と、カフェイン耐性が反比例的な側面があるので一概に言えないということです。
そのうえ、上記で解説した環境や遺伝による要因が重なる為、
人によってかなりの違いがうまれます。
毎日のカフェイン摂取から回復する時間より引用
Frontiers https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2021.787225/full
ところでパラキサンチンってなに?
上記で少し触れましたが
カフェインの代謝物であるパラキサンチン。
カフェインと同様にアデノシン受容体に影響を及ぼします。
カフェインに比べて血圧を上昇させる作用や、
アドレナリン(エピネフリン)の放出を促進する作用が強いとされています。
カフェインやカフェイン断ちを行ううえでのポイント
ポイントは損益分岐点を理解しよう
上記の文章正直分かりにくいと思います(私の文章をまとめる力はさておき)。
理由は白黒で判断できない条件が多すぎるためです。
カフェインとアデノシンの効果も人に寄って違う。
体内蓄積時間も違う。
遺伝・体重・神経伝達回路要件が多すぎるのです。
なので、もしカフェインをスポーツに頼るなら損益分岐点を計算しましょう。
ポイントは以下の目安になります・
- カフェインの摂取量を少ない状態から試しみる
- 日々のカフェイン接種間隔を調整してペースを掴む
- カフェイン抜きは試して効果無いなら辞める。
上記、自身身体への効果検証で見極めてみましょう。
プロの監督でもカフェインの効き目を断定するのは難しいようです。
人によって個体差はかなりあるようです。
カフェイン が 運動 選手 の パフォーマンス を 向上 さ せる こと は 実証 済み だ。 国際 自転車競技 連合( UCI) は かつて、 カフェイン の 大量 摂取 を 禁止 し た こと が ある。 カフェイン には 心身 両面 での パフォーマンス 向上 効果 が 認め られる から だ。 しかし、 2004 年 には この 決定 を 撤回。「 それ は カフェイン の 代謝 に 個人差 が ある から でし た」 と、 キラー は 言う。「 体内 の カフェイン 量 を 量る こと は 極めて 困難 です。 それ は、 人 によって カフェイン を 代謝 する 速 さが 違う から です。 コーヒー を 1 杯 飲む に し ても、 ある 選手 は 4 時間 以内 に その 痕跡 が 消え て しまう のに、 別 の 選手 は 6 時間 経っ ても 痕跡 が 残っ て いる という こと が あり え ます」。
ジェイムズ・ウィッツ; 西薗良太. 世界最高のサイクリストたちのロードバイク・トレーニング:ツール・ド・フランスの科学 . 東京書籍株式会社. Kindle 版.
肉体限界にも注意が必要
カフェインもといパラキサンチンには、アドレナリンの抑制効果と促進効果があります。
つまり、戸愚呂100%の状態ということです。
上記は極端ですが、常時フル活動だと神経・心拍共に負荷がかかりすぎた状態の可能性があります。
斬新性負荷やレースでの必殺的使い方としては良いですが、
肉体的神経的要因の見極めも重要です。
カフェイン断食の注意点
安全を確保出来ない環境や車の運転等、
危険だと感じたら辞めておきましょう。
普段と違う事をすると想定外のリスクが発生することも。
自身の環境で判断してね。
反対に普段カフェインを取らない方が本番前に突然接種する場合も注意しましょう。
可能なら本番数日前に試してみるのが良いと思います。
実際にメンバーに聞いてみた
こちらは実際に私が主催するコミュニティーでアンケートを
とってみました。
- 効き目あった(1週間程で)
- 効き目あった(2〜3日で)
- 効き目なかった
- カフェイン断中メチャ眠かった (複数回答可能)
結果は効き目あった(2〜3日で)が一番多いのですが、
効き目なしや1週間近くで感じる方も多い結果に。
そして、眠気はやはり来る方が多いけど、少なからずこない方もいるようです。
実際にコメントで経験談を聞いた限りも上記の調査同様効き目が合った方と無い方、
体感まで人によってまちまちでした。https://discord.gg/zCNehbsZUJ
下記は西薗良太. 世界最高のサイクリストたちのロードバイク・トレーニング:ツール・ド・フランスの科学より引用になります。
コーヒーはプロも良く飲むようですね。
「 ご多分 に 漏れ ず、 我が チーム も バス に エスプレッソ マシン を 積ん で い ます」 と 言う のは、 トレック・セガフレード の コミュニケーション マネージャー( 広報 担当) を 務める ティム・ヴァンダーユーフドゥ だ。「 選手の ほとんど は コーヒー を たくさん 飲み ます。 セルフサービス でね。 マシン は あっという間に 空 に なる。 スタートライン に 向かう とき は 特に そう です。 すぐ に あり つける コーヒー の うち、バス の マシン の やつ が いちばん うまい なんて とき も ある。 ホテル の コーヒー は 進ん で 口 に し たく なる よう な もの ばかりとは 限り ませ ん から。 もちろん、 イタリア は 別 です よ」。
ジェイムズ・ウィッツ; 西薗良太. 世界最高のサイクリストたちのロードバイク・トレーニング:ツール・ド・フランスの科学 (p.358). 東京書籍株式会社. Kindle 版.
カフェイン断食からそのまま辞めてみるのも有り
長期的に考えればカフェインの摂取自体にリスクがある可能性もあります。
その反対もしかりですが。
*長い目で見た時の事を調べたら心臓病のリスク低下・反対に高血圧等々、
メリットデメリット両方出てくると思います。
難しいのは、判断が長期的なので短絡的判断ができない点です。
コーヒーに対するリスクのデメリットが大きいと感じたら辞めてみるのもありです。
その時風の雰囲気に流されず、自身の体感値とリスクを加味して判断しましょう。
断食期間で飲まないほうが良い気がしたなら、カフェイン断食をずっと続けるのもありだと思います。
まとめ
カフェインはその効果と取り扱いについて理解し、上手に利用することで私たちの生活やパフォーマンスに役立てることができます。
しかし、その効果は遺伝、体重、健康状態、喫煙、年齢などにより異なり、さらにカフェインの代謝物であるパラキサンチンが体内に蓄積することでカフェインに対する耐性が発生する可能性もあります。
カフェイン摂取のポイントは、自身の体調と反応をよく観察し、適切な摂取量と間隔を見つけることです。また、カフェイン断ちや初めてのカフェイン摂取は安全を確保した状況で行いましょう。